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Ⅲ.管理規約見直し

  みなさんが今お使いの管理規約のベースはどれですか。それを見直すことから始めましょう。

1.標準管理規約とは、

 分譲マンションのような区分所有建物の管理関係や管理運営の基本原則についての法律としては、区分所有法(正式名称「建物の区分所有等に関する法律」)があります。またそれとは別に、広範囲に渡る分譲マンションの管理運営を合理的に行ったり、良好な生活秩序を維持していくためにはそれぞれの分譲マンションの事情・特性等に応じて共同のルールを決めることが必要となってきます。

 区分所有法では管理規約の設定を義務付けているわけではなく、区分所有者の意思に委ねています。分譲マンションと一口に言っても立地・構造・規模等は様々です。区分所有法では個々の分譲マンションの実情等に則したルールを定めることができるとしています。このルールをまとめたものが「管理規約」です。管理規約では共用部分の範囲や使用方法や理事会の役割等、管理組合運営に必要なものが網羅されております。

 その管理規約ですが、昭和57年以前は分譲会社や管理会社が個々に管理規約案を作成していたため内容がまちまちであり、また不十分なものも多かったため、昭和57年5月に建設省(現国土交通省)が関係業界団体等に対し、指針として中高層共同住宅標準管理規約を活用するよう通達しました。これまで行われた改正は以下の通りです。

2.昭和58年10月改定

 同年に区分所有法が大幅に改正されたことを受け、一部改正されました。この時はまだ”マンション標準管理規約”ではなく”中高層共同住宅標準管理規約”という名称です。主な改正内容は以下のとおりです。

・占有者に関する規定の追加

・敷地及び共用部分等の変更の要件緩和

・建替え決議の追加…など

3.平成9年2月改定

 その後のマンションの急速な普及に伴い、マンションの管理や使用をめぐる様々な問題が生じてきたことを受け改正されました。主な改正内容は以下のとおりです。

・適切な大規模修繕工事を行う指針としての長期修繕計画の作成を管理組合の業務と位置付け

・駐車場の使用・専有部分のリフォーム等マンションの使用に関する規定の追加

・団地タイプや店舗併用マンションが増えてきたことから、団地型・複合用途型標準管理規約の追加…など

4.平成16年1月改定

 →標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)

 →標準管理規約(団地型)及び同コメント (PDF)

 →標準管理規約(複合用途型)及び同コメント (PDF)

日本全体に占めるマンション居住者人数総数が1,000万人を超えたことや、平成13年8月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」、平成14年12月に「マンション建替え等の円滑化に関する法律」の施行、そして平成15年6月に区分所有法が改正されこれらの法制度充実が図られたこと、また、マンションを取り巻く情勢も更なる変化が生じていること等を踏まえ改正されました。この改正より「マンション標準管理規約」と”マンション”という言葉を冠し発表されました。

・マンション管理における専門的知識を有する者の活用に関する規定の新設

・建替えに関する規定の整備

・決議要件や電子化に関する規定の整備

・設計図書の管理、修繕等の履歴情報の整理及び管理、コミュニティ形成等業務の追加

・未納管理費等の請求に関する規定の充実…など

と多岐に渡る大幅な改正が行われました。

5.平成23年7月改定

 →標準管理規約(単棟型) (PDF)

平成22年8月以降、国土交通省にて「マンション標準管理規約 の見直しに関する検討会」を設置し幅広い検討が重ねられ、平成22年12月~平成23 年1月にかけて「マンション標準管理規約の改正案に関するご意見募集」として広くパブリックコメント募集が行われた後に改正されました。主な改正内容は以下のとおりです。

・役員の資格要件の緩和

・理事会権限の明確化

・総会時の出欠票における議決権行使書、委任状の取り扱いの整備

・管理組合財産の分別管理等に関する整理

・長期修繕計画書等の書類等の保管等に関する整理

・共用部分の範囲に関する用語の整理

・標準管理規約の位置付けについて整理…など

6.平成28年3月改定

 →標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)

 →標準管理規約(団地型)及び同コメント (PDF)

 →標準管理規約(複合用途型)及び同コメント (PDF)

マンション居住者の高齢化等を背景とした管理組合役員の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性等様々な課題が指摘されており、これらの課題に対応した新たなルールの整備が求められていたこと等を受け、今回の改正が発表されました。主な改正内容は以下のとおりです。

・外部専門家の活用

・駐車場の使用方法

・専有部分の修繕工事等

・暴力団等の排除規定

・管理費等滞納に対する措置

・災害発生等の場合の管理組合の意思決定

・緊急時の理事長等の立ち入り

・コミュニティ条項の再整理

・理事会の代理出席…など

7.平成29年8月改定

 →標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)

 →標準管理規約(団地型)及び同コメント (PDF)

 →標準管理規約(複合用途型)及び同コメント (PDF)

 本年6月に住宅宿泊事業法が成立したことを踏まえ、分譲マンションにおける住宅宿泊事業の実施を可能とする場合及び禁止する場合の規定例を示す「マンション標準管理規約」が発表されました。これにより、住宅宿泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化されました。

8.今後の流れ

 標準管理規約(平成16年1月)改正で管理組合がマンション管理士等の専門家に対し相談・助言・指導等を求めることについては規定されましたが、理事長等の役員の資格要件はあくまでも区分所有者に限定していました。

 しかし、高経年化マンションの増加に伴う管理の困難化やマンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化が進み、標準管理規約改正(平成28年3月)で外部専門家が役員として直接管理組合の運営に携わることができると規定しました。

外部専門家が管理組合の運営に携わる際の基本的パターンとして

 →外部専門家の活用ガイドライン (PDF)

 ・理事・監事外部専門家型又は理事長外部専門家型

 ・外部管理者理事会監督型

 ・外部管理者総会監督型

の3つの方式が想定されるとしています。

 一般的な分譲マンションにおいて居住者の合意形成が最も重要となります。総会で付託された事案に対し、区分所有者で構成された理事会での合意形成の手続きを外部専門家が監事の立場でチェックする体制が望ましいと考えます。

 外部専門家である監事は、外部監査報告書を作成し管理組合に提出することが不可欠です。

以上